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水の学習室
   − 目次 −

1.水の基礎編

2.水危機編

3.水環境対策編

§1.水質浄化対策
水質浄化対策の基本構成
有機物処理
栄養塩(窒素・リン)処理
生活系排水の対策
工場排水の対策
農地・畜産系排水の対策

§2.河川の浄化対策
河川のもつ水質浄化機能
河川浄化対策の方法
河川直接浄化手法の分類

§3.湖沼での浄化対策
湖沼浄化対策の手法
湖沼流域対策
湖沼流入河川対策
湖内直接浄化対策

§4.海域での浄化対策
海域浄化対策の手法
汚濁物質流入防止対策
汚濁防止技術
赤潮防止対策
干潟再生技術
藻場再生技術



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   本文
水の学習室
第3章 水環境対策編

§1.水質浄化対策


水質浄化対策の基本構成

 水質汚濁の原因物質は、各発生源より排出される段階で、その発生源にて排水処理などにより完全処理または一部処理され排出されています。

 ・生活系排水
   し尿、生活雑排水があり、下水道をはじめ様々な処理システムを通じて放流されます。
 ・工場、産業系からの汚濁物質の排出
   水質特性に応じた処理がされ排水されます。
 ・農地、畜産業
   ふん尿などから畜産排水として、また堆肥など農地に敷設されたものからも雨水とともに流出します。
 ・市街地や山林などノンポイント
   排気ガスなどの窒素酸化物が、降雨時や地下水を通して流出する面源負荷があります。
  
   →水質汚濁については、「2.水危機編 §3.水質汚濁」で復習しましょう。


 これらが河川へ流出し、一部は湖沼、ダム湖、堰等の停滞水域へ流入し、最終的には、海域に流出します。湖沼、ダム湖などの停滞水域では、流入した窒素、リンによって、植物プランクトンの異常発生が生じ、富栄養化を生じ水質汚濁の原因となります。それらの対策としては、以下の分類があります。

 ●流域の対策
  流域負荷削減対策

 ●水域の対策
  河川直接浄化対策
     ・流入河川対策
     ・河川内対策

  湖沼対策
     ・湖沼流入河川対策
     ・湖沼内直接浄化対策


有機物処理

 ●有機物除去
 有機性排水の処理は、以下に大別されます。
  ・物理的処理
  ・化学的処理
  ・生物的処理

 物理・化学的処理は、生物的処理の前処理や後段の高度処理として用いられるのが普通であり、主体となるのは生物的処理です。
 生物的処理には好気性処理嫌気性処理などがあり、どちらも自然浄化作用のメカニズムの中で行われているものです。排水生物処理技術は、その一部分を設備中で人工的に効率よく進行させるプロセスで、それぞれの環境に適した微生物によって有機物の分解が行われます。

 ●生物的処理

 好気性処理
  好気条件下で、有機物は接触作用により酸化され、二酸化炭素などに分解されます。好気性処理は反応速度が高く、悪臭もなくコンパクトであるため、住宅地などへの設置が可能ですが、槽内への空気の供給が必要となります。

ヽ萓汚泥法

 処理効率が高いために最も多く普及している処理方式です。
     ・標準活性汚泥法
     ・嫌気−好気活性汚泥法
     ・オキシデーションディッチ法 など

∪己膜法

 生物膜は、活性汚泥に比べて生物相が多様性に富み、負荷変動への対応、難分解性有機物の分解、硝化反応などが進行しやすい方法です。また、維持管理が容易であり、小規模下水道、浄化槽などの中小規模の施設を中心に採用されています。
     ・接触曝気法
     ・回転板接触法
     ・散水ろ床法
     ・生物膜ろ過法 など
 炭素繊維による水質浄化も生物膜法の一種といえ、接触ろ材として炭素繊維を利用したものです。

 嫌気性処理
  嫌気条件下では還元条件の中で分解が進み、有機物はメタン二酸化炭素などに分解されます。嫌気性処理は、空気の供給がいらず、発生したメタンガスを利用できるため省エネルギー的であるが、装置規模が大きく、反応速度が遅いため滞留時間を長くする必要があり、悪臭などの発生を伴うデメリットもあります。

 嫌気・好気循環
  硝化脱窒によりpHを中性付近に保持できるため、効率的に処理を行ううえでは有効な方法です。嫌気好気循環法を行うことで有機物除去能も大きく高まります。

 ●物理化学的処理
 高度な処理が求められる場合や生物学的処理では分解・除去しきれない排水を処理する場合に用いられます。
  ・ろ過
  ・薬品凝集
  ・膜分離
  ・活性炭吸着
  ・オゾン酸化
  ・生物活性炭  など

 ●炭素繊維による有機物処理
 炭素繊維による有機物分解は、炭素繊維に形成される微生物膜によるものです。炭素繊維水質浄化材には、好気性菌嫌気性菌がバランスよく付着するため、炭素繊維が水中にて有機物と接触することにより有機物除去能が高くなります。
 従来のろ材に比べて大きな表面積と、生物親和性など多くの優れた特質により、微生物膜が大量に固着し、剥がれにくいため水質浄化効果が高く継続します。

好気・嫌気性条件下の有機物分解 生物膜による有機物分解


栄養塩(窒素・リン)処理


●生物処理による窒素除去

 硝化反応(酸化)と脱窒反応(還元)の2つのプロセスにより窒素ガスNとして大気に拡散されます。

●生物処理によるリン除去
 微生物によって取り込まれたリンは、ポリリン酸として蓄積が起こり固定化されます。

●物理化学的窒素・リン除去
 凝集沈殿法、晶析法、吸着脱リン法、鉄電解法などがありますが、下水処理場などの大規模施設
では、従来から最も普及している凝集沈殿法が主流です。

●炭素繊維による栄養塩除去
 炭素繊維に付着する微生物群には、脱窒細菌が多く含まれるため、硝酸性窒素を窒素ガスに分解し、大気に拡散させます。また、微生物はリン酸イオンをポリリン酸として蓄積するためリンも除去されます。さらに炭素繊維は、鉄イオンを溶出させる働きもあり、鉄イオンの存在によりリン酸鉄となり不溶化し固定化されます。


生物学的窒素除去 生物・化学的リン除去


生活系排水の対策

 生活系排水対策として、合併浄化槽、単独浄化槽、し尿汲み取り、自家処理があげられます。 水質汚濁の対策は、主に下水道整備であり、下水道の整備が進まない地域では、合併浄化槽による対策を行うことになります。

●下水道対策
 全国の下水道普及率は69.3%(平成18年3月31日現在)となり、都道府県別の下水道事業実施率は約82%(下水道事業実施市町村数/総市町村数)と、下水道の整備に伴い、日本の河川の水質汚濁の現況は改善されつつあるといえます。
 しかし近年、合流式下水道では豪雨時に大量の雨水が下水道へ流入し、結果、捌け口より流出し汚濁の原因として問題視されています。

●浄化槽対策
 単独処理浄化槽は、生活雑排水を無処理で放流することから、汚濁負荷量が大きくなります。そのため、雑排水を同時に処理する合併処理浄化槽等の設置を促進することが必要とされています。
●生活雑排水対策
 合併浄化槽等への転換の他に、雑排水専用の処理システムを用いることや、家庭内における対策があります。最も負荷が多い台所での調理くず等の排出抑制、廃食用油の適正処理や洗濯時の無リン洗剤の使用等様々な対策があります。


工場排水の対策

 工場排水対策としては、水質汚濁防止法など排水規制の強化とそれに対応した工場排水の再利用による排水量の抑制、汚濁特性に応じた排水処理による汚濁除去がなされています。
 一定規模以上の特定施設を持つ工場・事業場は水質汚濁防止法に基づく厳しい規制の対象とされており、産業用水の約75%は再利用でまかなわれるようになり、水使用量と排水量が大幅に削減されています。
・有機汚濁物質を含む排水を発生する業種        → 生物処理方式
・無機系の汚濁物質を主体とする排水を発生する業種 → 凝集沈殿方式砂ろ過方式 など

 また、炭素繊維水質浄化材は、生物処理方式の接触材として大きな効果が期待されており、今後の
研究開発により用途拡大が望まれています。


農地・畜産系排水の対策

・畜産系排水対策
 畜産業により飼育される牛や豚の排出する負荷量は、人間の排出負荷量の5〜10倍にも及び、畜産業の盛んな地域では、その糞尿処理排水処理対策は重要です。
 日本では家畜ふん尿は、有機資源の有効活用の観点から、堆肥や液肥として農地や緑地に施肥利用することが行われていますが、過剰となり野積み状態になると、降雨とともに流出するなど面源負荷となります。
 現在、尿を含む畜舎排水の浄化処理には、好気性の生物処理、特に活性汚泥法が一般的に用いられています。

・面源負荷対策
 農地における面源負荷は、降雨時に農耕地、牧草地、放牧場などに蓄積していた汚濁物質が流出したり、地下浸透したものが流出するものを言います。化学肥料や堆肥として施肥されたものから、主に窒素、リンの富栄養化物質が流出し問題となります。

 ●牧草地など自然域からの負荷対策
  ・施肥、伐採の方法の改善
  ・荒廃地等からの流出対策  など

 ●農耕地からの面源負荷対策
  ・過剰施肥、散布に対する指導等の対策
  ・水田では水管理による肥料の流出防止
  ・家畜のふん尿を屋内にて堆肥化  など

引用:「炭素繊維水利用技術設計指針 −環境水編−
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